V.A.
ベスト・オブ・シュトラウス
通称チェコフィルの名で日本でもファンの多いチェコフィルハーモニー管弦楽団は今から110年あまり前1896年にあの大作曲家ドボルザークを初代の指揮者として迎え第1回の演奏会を開催しました。本拠地である芸術家の家ドボルザークホールは、その音響の良さは世界屈指であると言える。このたびEXTONレーベルで知られる、オクタヴィアレコードからチェコフィルのCD未発表音源が24bit/96kHzで届きました。指揮は2003年から4年間常任指揮者を務めたスデニェク・マーツァル、曲目はマーラーの交響曲第5番。e-onkyo musicでは秋が深まるプラハの街に想いを寄せながら、そんなチェコフィルの名演奏をピックアップしました
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今回、CD未発表音源としてお届けするこの曲は2003年10月9日マーツァルの常任指揮者就任記念で演奏されました。この演奏会は2日間の演奏を編集しCD化されたタイトルがありますが、こちらは完全未編集盤。いわゆるプラハの春がソ連軍侵攻により潰され、西側に亡命、米国でいくつかのオーケストラを指揮し、凱旋帰国の記念すべき演奏会でマーツァルが選んだのはマーラーの5番。冒頭のトランペットに始まりエネルギッシュでメリハリのある演奏はチェコフィルの持つパフォーマンスをこよなく引き出している。第4楽章のアダージョではその弦楽器の音色の美しさと緻密なアンサンブルは聴くものを魅了して止まない。ドボルザークホールでの名演奏が24bit/96kHzで蘇ります。
チェコ・フィルにとって特別な意味を持つこの作品に対峙し、マーツァルはチェコ ・フィルのマーラー演奏の伝統に全身全霊の敬愛と賛辞を捧げます。ポスト・ホルンにはこの作品にはもはや欠かせない名手ケイマルを擁し、ソリスト、合唱とも万全の布陣。チェコ・フィルならではの深い弦楽器の響きと管楽器の咆哮が、たっぷりとした豊かな音楽の流れの中で謳い尽くすマーラー3番です。特に終楽章のひとつひとつの楽器を重ねていきながら長いゆるやかな坂をいくような演奏はマーラーの魔の境地への誘惑に等しい。
112年前のチェコフィル第1回の演奏会のプログラムにも組まれたドボルザークの新世界交響曲。「新世界より」という副題はアメリカに渡ったドボルザークが故郷チェコのボヘミアへ贈ったメッセージだと言われている。アメリカから帰国後、祖国で自ら指揮したこの曲にどのような思いを馳せたのでしょう。また同様にアメリカへの亡命から帰国し常任指揮者となったマーツァルはこの曲にどんな思いを込めたのでしょう。
武藤英明(指揮)チェコフィルハーモニー管弦楽団
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ノイマン(指揮)チェコフィルハーモニー管弦楽団
チェコ・フィルがエクストン・レーベルで奏でる初のモーツァルトの交響曲。特にポピュラーな「ジュピター」と40番を携えての演奏。プラハの叙情ある歌心で奏でます。曲の中でさりげなく出す優雅さはこの上なく魅力的。指揮者、武藤英明が約30年間の指揮者人生と、チェコ生活の中で見出したこの2つの交響曲への理解。それが輝くような明るさ、エレガントなフレージングとなって表れています。
チェコフィルの黄金期を形成したヴァーツラフ・ノイマン 指揮による スメタナ「わが祖国」。6曲からなる連作交響詩の中の「モルダウ」は日本でも演奏機会が多く、合唱曲用に日本語歌詞も付けられている。
マーツァル(指揮)チェコフィルハーモニー管弦楽団
ドヴォルザークの代表作であるチェロ協奏曲とドヴォルザーク唯一のヴァイオリン 協奏曲のカップリング。スーク、フッフロというチェコが誇る2大名手にノイマン 指揮チェコ・フィルという贅沢きわまる顔ぶれで。
マーツァルは、緻密な計算に裏付けられたテクスチュアを保ちながらも、ほとばし るエネルギッシュな指揮で、チェコの民族性溢れる魂の音楽を熱く展開させます。ここ数年世代交代が進むチェコ・フィルの新時代を語るに相応しい名演です。