ペドロ&カプリシャス
ペドロ&カプリシャス ベスト撰集<24/96>
一夜限りのマジック〜LIVE JAZZの世界
インプロビゼーション(即興)を主体とするジャズにおいては、毎夜毎夜が勝負と試行錯誤の連続。何度も立ち戻ってやり直すことなど出来ない、その一発勝負の中で起こるハプニングや 奇跡的な閃きは、予定調和なものとは異質な悦びを聴くものに与えてくれます。 今回は、そんなマジックが起こったライブ・アルバムを中心にご紹介。お酒を片手に、ごゆっくりお楽しみください。 ※単曲のご購入は、各楽曲の詳細ページから行ってください。
<プロフィール>ビル・エヴァンス
1929年8月16日アメリカ、ニュージャージー州プレインフィールド生まれ。1980年9月15日没。 20世紀ジャズ・ピアニストの中でも最も重要なミュージシャンの1人。クラシックの素養を反映したアイデア、テクニックは現代のジャズ・ピアノのスタイルを形成する上で非常に重要なヒントを与えました。キース・ジャレット、ハービー・ハンコック他、後世のジャズ・ピアニストほぼ全員に影響を及ぼしていると言っても過言ではないでしょう。 ニューヨークで活動を始めた1950年代の主な活動としては、マイルス・デイヴィスのもとで後の「モード(旋法)ジャズ」の先駆けとなったアルバム「Kind of Blue」の録音セッションへの参加が挙げられます。自らも楽曲を提供し、新しいジャズの幕開けの為に、欠かせない役割を果たしました。 1960年代になるとスコット・ラファロ(bass)ポール・モチアン(Drums)をメンバーに迎え歴史的なピアノ・トリオを結成、アルバムとしては4作残しました。今回取り上げる作品はその1つ。しかし、スコット・ラファロが61年に交通事故で急逝するとこのレギュラートリオの活動は停止。ビル・エヴァンス自身はこの死に非常にショックを受け、数ヶ月ピアノを弾く事ができなかったといいます。 その後のピアノ・トリオは数々のベーシストが去来しました。なかでも突出したベーシストを挙げるとチャック・イスラエル→エディ・ゴメス→マーク・ジョンソンと代えながら70年代後半まで活動を続け、素晴らしい録音も多数残していますが、今もって最高と称えられるのは最初に結成したスコット・ラファロ、ポール・モチアンとのトリオのようです。
Waltz for Debby/ビル・エヴァンス・トリオ
まとめて試聴
チェック
スコット・ラファロ、ポール・モチアンとのピアノ・トリオは1959年から61年にかけての1年数ヶ月のみでした。しかしながら、ビル・エヴァンスにとって最初にして最高のこのトリオはその期間で「ポートレイト・イン・ジャズ」「エクスプロレイションズ」「サンデイ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード」「ワルツ・フォー・デビィ」という、後にリバーサイド4部作と呼ばれる名盤を残しました。 このトリオの最大の特徴は、ピアノ、ベース、ドラムが一体となったインタープレイにあります。それぞれの楽器がお互いのアドリブを触発するべく積極的に絡み合うこの音楽美を確立できたのは、優れた音楽性を持つこの3人が奇跡的に出会ったからに他なりません。特にスコット・ラファロはそれまでのベースのイメージを一新し、ソロ楽器としても躍動させています。そのプレイはビル・エヴァンスのインプロヴィゼーションにも変化をもたらしています。 世界中でピアノ・トリオの素晴らしさを伝えてきたアルバム、「ワルツ・フォー・デビィ」は61年6月25日のビレッジ・ヴァンガードにおいて、このトリオの最良の姿を切り取ったもの。しかしながら、このわずか11日後にスコット・ラファロが25歳の若さで急逝、世界最高のピアノ・トリオが残した最後のアルバムとなってしまいました。
ソロ・ライブ・アット・ザ・ケネディセンター/秋吉敏子
単曲購入のみ
これぞ本格ソロ・ピアノ 秋吉敏子は日本人として初めてアメリカに渡った本格派のジャズ・ピアニスト。先日亡くなったオスカー・ピーターソンをはじめとして、敬愛するバド・パウエルやチャーリー・パーカーがいた時代からアメリカで活動しつづけ、40年以上という長きに渡ってジャズの世界の第一線で活躍してきました。 経済的に負担の大きいビッグ・バンドを維持し続け、自作曲も意欲的に発表し、高い評価を得ています。日本のジャズ界のみならず、世界のジャズ・シーンにその名を残したその一音一音、独特なフレイジングやタイム感などがたっぷり楽しめる、本格派ソロ・ピアノ。 2000年3月 ケネディ・センターにてライブ収録
JazzToday2007 Special Live Ub-X meets 菊地成孔
一夜限りのスリルを味わう スタジオ録音とは違い、フレキシブルな企画ができるのもライブの楽しみです。このJazzToday2007 Special Liveでは、橋本一子率いるUb-Xと、彼女のかつての教え子(!)という菊地成孔が競演するという、この夜限りの好企画が実現しました。 YMOへの参加を含め、クラシック、ジャズ、CM音楽と多様な才能を持つ橋本一子の個性と、ハイセンスな切り口で日本ジャズ界へ切り込みつつも、大学講師というユニークな肩書きも持つ菊地成孔の個性が絡み合い融合した、貴重な夜を追体験することができます。 24bitの高品質、ここでしか手に入らない臨場感を味わってください。 2007年9月8日 六本木Super Deluxeにてライブ収録
Alive!!/小曽根真 THE TRIO
完璧な夜を演出 クラシック寄りのアプローチのソロ・ピアノ・アルバム「フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン」をリリースしたり、ビッグ・バンド「ノー・ネーム・ホーシズ」でスケールの大きさを見せたり、様々な顔を見せる小曽根真がデビュー以来活動の中心においてきたピアノ・トリオ 「小曽根真 The Trio」の10周年を記念したジャパン・ツアーの東京公演の模様を収録。ピアノ、ベース、ドラムが三位一体となったソリッドな内容は長年共演を重ねてきたからこそ。ジェームス・ジナス、クラレンス・ペンのリズム隊の支えを受けて躍動する小曽根真の姿が目に浮かぶ、完璧な内容です。 2006年9月14日ブルーノート東京にてライブ収録
2 Drink Minimum/ウェイン・クランツ
NYCグリニッジ・ヴィレッジ実況版 ギタリスト、ウェイン・クランツが毎週木曜の夜にレギュラー出演している、ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジの小さなライブ・スポット、55バーでの収録盤。ウェインは、同じく55バーの常連であるマイク・スターンに負けず劣らず、今ニューヨークで最も注目を集めているギタリストの一人。 昨今はスティーリー・ダンのツアーに参加したり、ドナルド・フェイゲンの作品に参加するなど、サイドメンとしての活躍も見逃せません。 キーボードを入れるとフュージョン色がでるし、ホーンを入れるとジャズ色が強くなりすぎる、と語る彼が行き着いたのはギター・トリオ。実力者リンカーン・ゴーインズ、ザック・ダンジガーを迎えたこのトリオ、強力です。 1995年 NYC 55Barにてライブ録音
Taro's Mood/日野皓正
日本発、世界トップのパフォーマンス 1973年、よりアコースティックなセッティングで溢れんばかりの自信に満ちた日野のプレイを収めた1枚。当時は「ベルリン・ジャズ・フェスティバル」に参加するなどドイツで積極的に演奏していた時代、日本のジャズが世界で一流と目されはじめた時代のエネルギーが詰まったライブ盤です。 凄まじいばかりの迫力で飛んでくる日野のトランペットが方向性を示し、日野元彦のドラムが煽るという兄弟コンビが骨太なバンド・サウンドを確立、牽引し、そこに他メンバーが絡んでさらに厚みをもたらしている格好で、様々な“ジャズ的”音楽が氾濫している今のジャズ・シーンと比較してみると、 その気迫と内容にただただ圧倒されてしまいます。誤解を恐れずに言えば、音楽だけで良し悪しを判断できる方に聴いて頂きたい1枚です。 1973年6月29日 ミュンヘン JazzClub Domicileにてライブ録音
EnRoute/ジョン・スコフィールド
ジャズ・ギター・トリオの決定版 その独特の揺れるフレージングがなんとも言えず、数々のギター・フリークを虜にし続けるジョン・スコフィールド。マイルス・デイヴィスをはじめ、多種多様なミュージシャンと共演を果たしていますが、 バークリー音楽大学時代からの付き合いであるスティーブ・スワロウ(ベース)、90年代から共演しているビル・スチュワート(ドラム)とのマッチングは特に完璧の域に到達しています。中でもこのライブ盤に収録されたトリオ演奏はリスナーのみならず、 現役のジャズメンからも圧倒的な支持を集める秀逸なもの。ジャズ・ギター・トリオの決定版と言ってしまいましょう! 2003年12月 ニューヨーク ブルーノートにてライヴ収録
Live At The Haig/バド・シャンク
幻の名盤! 1956年、アメリカ西海岸のジャズ・クラブ“ヘイグ”におけるバド・シャンクのベスト・ショットを収録した本作は、メンバーが録音されていることを全く知らなかったこともあってか、全員が実にのびのびと演奏しているところが印象的な1枚。録音状態も良好であり、ボリュームをちょっと大きめにしたら、まさにそこに居合わせたかのような錯覚に陥ります。初めてアメリカに渡った秋吉敏子も立ち寄ったというこの“ヘイグ”は、当時の有名ジャズメンが多数出演していた超有名クラブ。大きめの音で聴いて、この時代のライブ会場の雰囲気で部屋をみたしてみるのはいかがでしょうか? 1956年1月 ロサンゼルス JazzClub Haigにてライブ収録
PIT INN/シダー・ウォルトン
日本ジャズのメッカ“PIT INN” 40年という歴史を持つ老舗のジャズ・ライブハウス、新宿PIT INN。日本はもとより世界中からジャズメンが集まり、決して大きいとはいえないその空間で熱気溢れるパフォーマンスを繰り広げてきました。このアルバムは1974年、アルバム・タイトル通りそのPIT INNにおいて、名職人シダー・ウォルトンのライブを収録したものです。60年代前半、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに在籍するなどメジャー・アーティストとして活躍したシダー・ウォルトンは作曲家としての作曲センスも高く評価されているピアニストで、自作曲「スイート・サンデイ」「サントリー・ブルース」「ファンタジー・イン“D”」などはこのアルバムの聴き所。サム・ジョーンズ(ベース)ビリー・ヒギンズ(ドラム)という名手を迎え、リラックスした演奏が心地よい雰囲気を醸し出しています。 1974年 新宿PIT INNにてライブ収録