ペドロ&カプリシャス
ペドロ&カプリシャス ベスト撰集<24/96>
今や、日本人のジャズメンは世界であたりまえのように聴かれる存在になりましたが、その演奏スタイルは、かつてプロペラ機で単身アメリカに渡り、50年代ビバップを身に付けた秋吉敏子から、現代的なアプローチを学んだ山中千尋まで、実に幅広いものです。今回は、偉大な日本ジャズの先人から、そのプライドを受け継ぎつつ新しい可能性をさぐる若手までをご紹介し、日本ジャズメンの素晴らしさを存分に味わって頂きたいと思います。ページ下部にはこの夏のジャズ・フェスティバルのご紹介もありますので、是非チェックしてみてくださいね!
小曽根真/ソー・メニー・カラーズ
まとめて試聴
チェック
小曽根真ザ・トリオが、ヴァーヴ移籍後のオリジナル・アルバムとして最高のセールスをあげたのがこちら。ベースの北川潔が脱退し、代わってブレッカー・ブラザーズなどでも活躍したジェームズ・ジナスが参加。さらに磨きのかかったトリオ・サウンドを聴く事ができます。特にオススメはM1。曲構成もアドリブも完璧、曲中のインタールードから戻ってくるところなどは、まさに鳥肌ものです。これは聴かないと損しますよ!そして、かつて自身も出演したTVCMでも使用されたM11。充実のアルバムを締めくくる名演です。
山中千尋/アウトサイド・バイ・ザ・スウィング
今や日本のトップ・ピアニストのひとりとして大活躍中の山中千尋。そして、このアルバムでトリオを組んでいるロバート・ハースト(b)、ジェフ・テイン・ワッツ(ds)といえば、世界のトップ・ミュージシャンから必ずお呼びのかかる超実力派です。それだけでもはや作品のレベルの高さもある程度伺い知れますが、聴いていただければ更に納得。中山のモダンなアプローチのアドリヴが聴きもののM3、ジェフのドラムの芸達者ぶりが垣間見られるM10などなど、聴き所満載、さすがの大ヒット・アルバムです。
綾戸智絵/SEVEN
単曲販売のみ
今月はデビュー10周年記念アルバム発売、そして9月15日の国際フォーラムを皮切りに、10周年記念記念ツアーも控えている綾戸智絵、最近はTVCMなどでも良く見かけますし、この夏は彼女が熱い!本人も10周年ということで、かなり気合がのっているようですし、充実のステージが期待できそうです。ご紹介のタイトルは2004年のスタジオ・ベスト盤。10周年記念アルバムは10年間のバラード・ベストですから、どちらも持っておきたいところですね。
渡辺香津美/おやつ
ニューヨークきってのジャズ・ギタリスト、マイク・スターンですら舌を巻く実力と音楽性を兼ね備えた渡辺香津美。こちらのアルバムは全篇アコースティック・ギターで演奏されていますので、混じりっけ無しの彼の「音」を聴くことができます。基本はソロ・ギターでたっぷり聴かせる構成になっていますが、M4の山下洋輔、M6の井野信義、M13の桑名晴子などとのデュオも聴きどころ。最後は大御所、ラリー・コリエルとのデュオでお腹いっぱいです。
山下洋輔/ミスティック・レイヤー
こちらは山下洋輔ニューヨークトリオの最新作。さすがにバンドの一体感が半端じゃぁありません。ビシッとキメが合う気持ちよさもジャズを聴いていて嬉しいところの一つですが、そんな瞬間があちこちにあるのは長年の間、共に演奏を重ねた賜物でしょう。川嶋哲郎がゲスト参加している2)(4)(5)(8)のうち、オススメは川嶋が尺八を模したアプローチのフルートを聴かせるM4、チャールズ・ミンガスの名曲をさらにエッジの効いた演奏で聴かせるM8。
日野皓正/ライヴ・イン・ネムロ ホイール・ストーン(車石)
日野皓正が渡米する前、75年に収録したライヴ盤。熱いです。2曲入りですが、2曲だけで20分を越すM1、日野のブロウが雄叫びをあげています。大音量でかけてしまえば、そこはもう当時のライヴ開場のよう、思わず心が色めき立つというか、緊張感に圧倒されそうになります。これほどまでに緊迫感のある演奏を聴かせる日本のジャズ・ミュージシャンは現在でもなかなかいないような気もしますが、だからこそ、現在でも日本のトップ・トランペッターなのだ、と納得。
渡辺貞夫/ホイール・オブ・ライフ
半世紀以上にわたり日本のジャズ・シーンをリードし続ける渡辺貞夫。幼少期にクラリネットを初めて教わったのはちんどんやだった、などというトリビアもどこかで読んだ気もしますが、もはや知らない方はいないでしょう。本作は世界的なボーカル、ベース奏者、リチャード・ボナとの共同プロデュースにより生まれた作品。ギターにはマイク・スターンを起用しています。オススメは、まさに貞夫ワールドなM2、3、リチャード・ボナのボーカルが大陸的な抱擁感を感じさせるM8。
秋吉敏子/ホープ
単曲購入のみ
こちらは24bit/96kHzのアルバム。渡米以来、ジャズ・オーケストラを率いての活動が主だった彼女ですが、2003年にそのオーケストラを解散、ここのところピアニストとしての活動を展開しています。ジョージ・ムラツ(B)、ルイス・ナッシュ(Ds)とのトリオに加え、こちらのアルバムではソロ・ピアノも聴く事が出来ます。若手、いやベテランでも、彼女のピアノのタイム感に近い演奏をするミュージシャンはなかなかいないと思いますが、テクニックで、ではなく、ジャズ本来の持つスウィング感や歌心を真に表現できるのは彼女ならでは。
木住野佳子/ボッサ・ノスタルジア
2005年にデビュー10周年を迎えた木住野佳子。こちらは2006年発表のアルバムで、ライヴでも定評のあるボサ・ノヴァのナンバーを中心に収録した、夏に是非オススメしたい内容になっています。彼女の容姿からも伺えますが、必ずどこかエレガントな演奏をするのが彼女の特徴。それは全曲において手掛けた編曲でも同じ事。小柄ながらもアグレッシブな攻めを見せる山中千尋と好対照かも知れません。交互に聴いたらきっと楽しいですよ。
中村健吾/ディヴァイン
芸術の殿堂リンカーンセンターに属する、リンカーンセンター・ジャズ・オーケストラに参加、クリントン前大統領主催のプレジデントサミットで演奏、ニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガー」出演、サイラス・チェスナットやウィントン・マルサリスのバンドに参加、などなど、羨ましい限りの経歴を持つ日本のジャズ・ベーシスト。本作では、バークリー音大時代に傾倒したチャールズ・ミンガスの名曲M2、ランニング・ベースが駆け抜けるM3、など、実力を如何なく発揮、プロローグ、エピローグで締めくくり、作品としてのまとまりも素晴らしいアルバムです。
菊地成孔/The Original Sound Track 大停電の夜に
豊川悦司 、田口トモロヲなどが出演した映画「大停電の夜に」のオリジナル・サウンドトラック。短いモチーフのヴァリエーション(30秒〜2分)が多いなか、終盤に長め(4〜5分)の曲、ジャズ・スタンダードの「マイ・フーリッシュ・ハート」、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」を収録。とくにM8の「ハッピー・クリスマス」がおすすめです。南博(ピアノ)、菊地雅晃(ベース)、津上研太(アルト・サックス)などなど、多数のジャズメンが参加しているところも注目。
大石学/Voyager
親しみやすいメロディと確かなテクニックで、ピアノ・トリオ・ファンから常に人気を博してきた大石学トリオの5作目。もはや大石節といっても差し支えないであろう、どこか郷愁を感じさせるロマンティシズムは本作でも健在です。絶妙なインタープレイが冴え渡るチャーリー・パーカーのM1、、故本田竹広氏(ピアノ)へ捧げたタイトル曲M10など、コンポーザー・アレンジャーとしての大石の魅力が詰まった快作です。
♪夏のジャズ・フェスティバル情報♪
ご紹介したミュージシャンが出演する、この夏のジャズ・フェスティバルをご紹介します。普段のライヴ形式とは一味違う、夏だけのジャズ・フェスティバル。この夏の素晴らしい思い出になること請け合いです!!
7/28(土) モントレー・ジャズ・フェスティバル・イン能登2007 夏の観光シーズンを迎える能登。最高のジャズ・パフォーマンスで熱く素敵な夏が始まります!ご紹介した中では山下洋輔が出演予定。 詳細はこちらからhttp://www.noto.or.jp/monterey-jazz
8/9(木),10(金),13(月),14(火) インペリアル・ジャズ・コンプレックス2007 帝国ホテルで開催される屋内型ジャズ祭。4年目を迎えた今回は総勢100名を越す豪華ミュージシャンが集結します!ご紹介の山下洋輔、渡辺香津美、日野皓正などなど、注目ミュージシャンがホテル全館を歓喜に沸かせます! 詳細はこちらからhttp://www.imperialhotel.co.jp/jazzcomplex2007